ポップコーンラブ! -pops con lab!-

最近聴いてるCDについて

Case Mayfield『I Wish』 6.4

ジャンル:インディ・フォーク、シンガーソングライター

オランダの3voor12という音楽情報サイトに直近でリリースされた数枚のアルバムを全曲試聴できるコンテンツがあり、数年前に聴き漁っていた時に見つけたのがケース・メイフィールドという現地のシンガーソングライターだった。ライアン・アダムストム・ヨークを足して2で割った感じのエモーショナルで哀愁をおびたボーカルが特徴的で、ギター弾き語りを主体としたシンプルなサウンドに一気に引き込まれてしまった。彼の曲には痛みと悲しみ、怒りとアイロニーの感情があって、例え歌詞が理解できなくてもそう感じさせてくれる。今回のEPは次作のアルバムの資金繰りのために公開されたもので、人気曲をアコギで再演した簡易ベスト盤。投げ銭制で音源をダウンロードできる。つまり無料でダウンロードしてもいいし、100万円振り込んでもいい。自分は無料で手に入れたけれど、後でいくらか小銭を投げようかと思っている。1曲目の「Crooked Waits」ではトム・ウェイツの「Big In Japan」という曲を引用し「僕なら日本で有名になれる。日本で有名になりたいんだ」と歌っていてとても印象的だ。トム・ウェイツのいう「Big In Japan」はたぶんポジティブな意味ではないし(海外では日本でだけ有名な外タレを「ビック・イン・ジャパン」と皮肉る)、どういう文脈での歌われたものなのかもわからないが妙に親近感をおぼえる悲しげな名曲だ。