ポップコーンラブ! -pops con lab!-

最近聴いてるCDについて

あっこゴリラ『TOKYO BANANA』 7.1

【新作名盤】

TOKYO BANANA

TOKYO BANANA

 

ジャンル:ヒップホップ、ポップス
2014年に活動を停止したHAPPY BIRTHDAYという女子2人組バンドのドラマーのソロ名義デビュー作。天才かもしれない。HAPPY BIRTHDAYは女子の生態を明け透けに可愛くシニカルに表現した歌詞が特徴のポップバンドだと記憶していたが、このソロ作で彼女はドラムスティックを手放し自分の趣味趣向を明け透けにドギツくコミカルにラップしている。題材にしているのは兄への愛と、兄の親友への嫉妬心と、向井秀徳への憧れと、バナナと、そしてなぜか一休さんへの憎悪だ。しょうもない、と言えばしょうもない内容のリリックなのだが言葉選びのセンスがバツグンでかなりクレバーな印象を受ける。何より感心したのはバックトラックのクオリティで、俺こんなにヒップホップのトラックで聴いてて気持ち良かったの田我流の『B級映画のように2』以来だよ! ラスト3曲の「お兄ちゃん3部作」的な流れには爆笑しつつも落涙。「脱ヲタ feat.erica(エレクトリックリボン)」は2010年代の「キャロライン・ノー」(ザ・ビーチ・ボーイズ)ではないだろうか。