WHY@DOLL『Gemini』 6.5

Gemini

ジャンル：アイドル、ポップス

北海道出身の2人組アイドルユニットによる1年振りのアルバム。前作がミニアルバム扱いだったのでこれが1stフル作になるのか。アイドルグループが乱立し「楽曲の質が良くなければ売れない」みたいな時期なんてとっくに過ぎ、むしろどこのグループも曲が良いのが当たり前になってしまった現在で、本作は「楽曲の質だけは異様に良い」の究極みたいなアルバムでありまして、こんな楽曲派ヲタを喜ばせるためだけに存在してるようなクオリティのもん作ったって後はどうすんだろう、俺みたいなのが「これは傑作！」って鼻息荒く言うだけでその先は何か発展することがあるんだろうかなどと心配になるほど「曲が良い」以外の取っ掛かりを見いだせないと言いますか、今どき「曲が良い」というだけで正当に評価されるインディアイドルなんてNegiccoくらいしかいないんじゃないの、末期のトマパイですらもうちょっと具体的なグループコンセプトがあったと思うんですけどなどと余計なお世話で思ってしまいます。まじ全く捨て曲がない非常によく出来た曲ばかりなのですが、それらに何かわかりやすいWHY@DOLLのカラーが通底しているかと言えば答えはノーでありまして、はっきり言ってしまうと質の高い楽曲を作ることに注力しすぎて根本的なグループのコンセプトメイキングを怠っているような気がするんですけど、いや、だって面白みがないんだもの、「曲が良い！」って以外に、何も説明しようがないものこれ。アートワークがメンバーの写真じゃなくてイラストなのも、匿名性に拍車にかけてるよね絶対。いや曲は良いんですよ、曲が良いだけに、う～ん…何かこう、もうちょっとアクの強さを出せれば…歌詞を全て北海道弁にするとか…どうですか…？ ボーカルを全てハーモニーにするとか…。いや、理想としてはサウンド面での強烈なオリジナリティがほしいのですけど…